「多久聖廟の釈菜って、どんなお祭りなの?いつ開催されるの?」——そう気になっているあなたへ。佐賀県多久市の静かな丘のふもとに建つ多久聖廟は、朱漆に彩られた荘厳な廟堂の中に、儒学の祖・孔子を祀る国指定重要文化財です。毎年春と秋の年2回、300年以上脈々と受け継がれてきた伝統儀式「釈菜(せきさい)」が執り行われる日だけ、普段は非公開の廟内が特別に開放されます。
雅楽の音色が境内に響きわたる中、中国明時代の装束を身にまとった献官・祭官たちが、孔子とその四人の弟子の像に7種類の供物と甘酒を捧げる光景は、まるで数百年前の時空にタイムスリップしたかのよう。式典後には「釈菜の舞」や中国獅子舞、腰鼓演奏など華やかなパフォーマンスも披露され、厳かさの中にも祝祭の空気が漂います。
この記事では、釈菜の開催日程と内容、多久聖廟の見どころ、当日の流れ、アクセス方法や駐車場情報まで、初めての方でも迷わず参加できるように詳しく整理しました。佐賀を代表する歴史文化イベントを余すところなく楽しむための情報が、ここに揃っています。
多久聖廟 釈菜とは?300年続く孔子祭の基礎知識
佐賀県の歴史に触れる旅を計画しているなら、多久聖廟の釈菜は外せない存在です。釈菜とは、孔子とその弟子の遺徳をたたえ、供物を奉納する儒教の典礼儀式のこと。その起源は紀元前195年、漢の高祖・劉邦が行ったものが最初といわれており、多久聖廟では創建以来310年以上にわたって一度も途絶えることなく続いています。
記事ポイント①
- 釈菜(せきさい)は孔子とその弟子の遺徳をたたえる儒教の伝統儀式です
- 多久聖廟での釈菜は宝永5(1708)年の創建以来、310年以上継続して行われています
- 春は毎年4月18日、秋は10月第4日曜日に開催されます
- 佐賀県重要無形民俗文化財に指定されている貴重な文化行事です
- 当日のみ普段非公開の聖廟内が一般開放され、孔子像や天井の龍の絵を間近で鑑賞できます
- 見学は無料で、誰でも参加・観覧できます
- 春の釈菜は「春季釈菜」、秋の釈菜は「秋季釈菜(孔子祭)」とも呼ばれます
釈菜の歴史と文化的背景
多久聖廟が建てられた背景を知ると、釈菜の意味がより深く理解できます。宝永5(1708)年、多久藩4代領主・多久茂文は、領民に「敬」の心を培わせることを目的として、孔子像を安置した孔子廟を創建しました。儒学を重んじた多久の地では、学問と道徳の象徴である孔子を祀る釈菜が、藩政時代から現代まで連綿と受け継がれてきたのです。
現在の多久聖廟は足利学校(栃木県)・閑谷学校(岡山県)と並ぶ「日本三大孔子廟」のひとつとして知られ、建物は昭和8年に国の重要文化財に指定されています。禅宗様仏堂形式の建築に、龍・麒麟・鳳凰・鯱・鯉などを題材とした100を超える精緻な彫刻が施された外観は、和と中国文化が見事に融合した唯一無二の美しさを持っています。
釈菜の儀式が起源をたどれば中国・漢の時代にまで遡るものであり、多久聖廟はこの文化を現代まで守り続ける九州唯一の場所といえます。春と秋の年2回しか廟内が一般公開されないことも、釈菜当日が特別な訪問機会となる大きな理由のひとつです。
2026年の釈菜開催日程と時間
釈菜への参加を検討するなら、まず開催日程をしっかり押さえておきましょう。春と秋で開催日程の決まり方が異なるため、それぞれの日程を事前に確認することが大切です。
記事ポイント②
- 春季釈菜は毎年4月18日(固定)に開催されます
- 秋季釈菜は毎年10月の第4日曜日に開催されます(2025年は10月26日でした)
- 2026年の秋季釈菜は2026年10月25日(日)となる見込みです
- 式典の開始は午前10時から(当日は10時に聖光寺を出発する行列から始まります)
- 式典後に釈菜の舞・腰鼓・獅子舞などの演目が披露されます
- 雨天の場合も原則として開催されます(荒天時は要確認)
- 最新の開催情報は公益財団法人孔子の里(TEL: 0952-75-5112)へご確認ください
| 釈菜の種類 | 2026年開催日 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 春季釈菜 | 2026年4月18日(土) | 毎年固定日程 |
| 秋季釈菜(孔子祭) | 2026年10月25日(日)※予定 | 毎年10月第4日曜日 |
※日程は変更になる場合があります。出発前に公益財団法人 孔子の里 公式サイトでご確認ください。
春季釈菜と秋季釈菜の違い
春と秋ではそれぞれ異なる雰囲気と演目が楽しめます。春季釈菜は4月18日の固定日程であるため、桜や新緑の季節と重なることが多く、清々しい空気の中で厳かな式典を体験できます。式典後には「釈菜の舞」の披露や楊琴(ようきん)演奏などがあり、中国文化の薫りが境内に広がります。
秋季釈菜(孔子祭)は規模がやや大きく、「多久祭り」としての側面も持ちます。紅葉に染まる境内を背景に、腰鼓(ようこ)や中国獅子舞など、にぎやかな演目が加わります。2024年の秋季釈菜では、中国駐福岡総領事が招待されるほか、島原の乱で戦った多久の人々が舞ったとされる「弥奉拝(ヤーホーハイ)」が10年ぶりに披露されるなど、年ごとの特別演目にも注目です。
どちらの季節に訪れても、その年ならではの体験ができるのが釈菜の醍醐味といえます。
釈菜当日の式典の流れと見どころ
初めて釈菜を観覧する方にとって、式典がどのように進むのか事前に把握しておくことが、より深く楽しむための鍵です。
記事ポイント③
- 当日は午前10時に近隣の聖光寺を出発した行列が多久聖廟へ向かいます
- 献官(多久市長が務めることが多い)と8人の祭官が中国明時代の装束で式典に臨みます
- 多久市職員らが扮した伶人(れいじん)が雅楽を奏でる中、儀式が進行します
- 孔子と四配(顔子・曾子・子思子・孟子)の像にナツメ・クリ・餅・甘酒など7〜8種の供物を捧げます
- 全国各地から奉納された漢詩が朗読されます
- 式典後は地元の中高生による「釈菜の舞」や腰鼓・獅子舞などが披露されます
- この日だけ廟内への立ち入りが許可され、孔子像・天井の龍の絵を間近で見られます
厳粛な式典の進行
釈菜の式典は、定められた順序・所作に則って厳かに進められます。境内に雅楽の音色が響くと、中国明時代の装束に身を包んだ参列者たちが廟内に入場。日常から切り離された空間で、数百年前と変わらない作法で供物が捧げられる光景は、観覧者にとっても時間を超えた感動をもたらします。
雅楽の中でも特に腰鼓(ようこ)は中国伝来の民族楽器で、鼓を紐で肩にかけ腰の辺りで打ちながら演奏するもの。その独特のリズムは、式典全体に異国情緒あふれる雰囲気を加えています。
式典後の演目と文化行事
式典が終わると、場の空気がにわかに華やかになります。地元の中高生が踊る「釈菜の舞」は、中国から取り入れた優美な舞踊で、若い世代がこの伝統を守り継ぐ姿が印象的です。中国式の獅子舞は勇壮かつユーモラスな動きで観客を魅了し、子どもたちも楽しめるパフォーマンスとなっています。
秋季釈菜では孔子祭として楊琴(ようきん)の演奏も披露されることがあります。楊琴は弦を打って演奏する中国の弦楽器で、澄み渡った音色が境内に溶け込みます。釈菜は単なる儀式の見学にとどまらず、中国文化の多様な魅力に触れられる総合的な文化体験の場といえるでしょう。
多久聖廟の見どころ|釈菜以外でも楽しめるポイント
釈菜の日以外でも、多久聖廟は歴史と文化を感じる充実した観光スポットです。境内の各所に散りばめられた見どころを知っておくと、訪問がさらに豊かなものになります。
記事ポイント④
- 多久聖廟は日本三大孔子廟のひとつで、国指定重要文化財です
- 建物の柱や梁には龍・麒麟・鳳凰・鯱・鯉・獅子など100を超える彫刻が施されています
- 廟内に安置される孔子像は元禄13(1700)年製作、高さ90cm・重さ108kgの青銅製です
- 孔子像を収める「聖龕(せいがん)」と呼ばれる八角形の厨子は、その分解方法が秘伝とされています
- 天井に描かれた龍の絵は圧巻の迫力で、釈菜当日に一般公開されます
- 参道入口の物産館「朋来庵」では絵馬や学業成就グッズ、地元の土産物を購入できます
- 受験シーズン(年末〜年始)には合格祈願の参拝者でにぎわいます
建物と彫刻の美しさ
多久聖廟の建物は、禅宗様仏堂形式という日本の伝統的建築様式をベースに、随所に中国文化の意匠を取り込んだ独特のスタイルが特徴です。朱漆塗りの外観は境内の緑に映え、どこか異国情緒を漂わせています。
柱や梁に施された100を超える彫刻の数々は、ひとつひとつに意味が込められています。龍は水と権威の象徴、鳳凰は幸運と高貴さ、麒麟は仁徳の象徴とされており、廟堂全体が孔子の思想と中国文化の宇宙観を体現した空間となっています。じっくりと細部を見て回るだけで、その精巧さと職人の技に圧倒されるでしょう。
孔子像と四配の像
廟内中央に鎮座する「聖龕」は八角形の厨子で、その中に元禄13(1700)年製作の孔子像が安置されています。青銅製で高さ90cm・重さ108kgという存在感のある像は、釈菜当日のみ一般参拝者が間近で拝観できます。また、孔子の主要な弟子である顔子・曾子・子思子・孟子の「四配」の像も廟内に祀られており、儒学の系譜を一堂に感じられる空間となっています。
年末年始のイルミネーション
釈菜だけでなく、多久聖廟は年末年始の時期にもにぎわいを見せます。毎年12月15日から翌1月15日まで開催される「多久聖廟年末年始イルミネーション」では、20万球の電飾が境内を彩ります。参道に設置された60本の竹灯籠と、長さ40メートルの「合格門(五角形の門)」は受験生に大人気で、新年の合格祈願と合わせてフォトスポットとしても話題です。入場無料で楽しめるイベントです。
多久聖廟のアクセス・駐車場・周辺情報
多久聖廟は佐賀市から車で約30〜40分、福岡市から車で約1時間のロケーションにあります。公共交通機関でのアクセスも可能ですが、便数が限られるため、車での訪問が最も便利です。
記事ポイント⑤
- 所在地は佐賀県多久市多久町1642です
- 車の場合:長崎自動車道「多久IC」から約15分でアクセスできます
- バスの場合:JR多久駅から昭和バス(武雄方面竹下町行き)で「本多久」バス停下車、徒歩約15分です
- タクシーの場合:JR多久駅からタクシーで約10分です
- ふれあいバス循環線(西回り)「多久聖廟」バス停から徒歩約3分でアクセスできます
- 駐車場は普通車100台・大型車も駐車可能で、無料です
- 見学・入場は無料です(釈菜当日も観覧無料)
| 交通手段 | ルート | 所要時間 |
|---|---|---|
| 車 | 長崎道多久ICから | 約15分 |
| タクシー | JR多久駅から | 約10分 |
| バス+徒歩 | JR多久駅→昭和バス「本多久」→徒歩 | 約25分 |
| ふれあいバス | JR多久駅→「多久聖廟」停留所→徒歩 | 約20分 |
※料金・時間は変更される可能性があります。出発前に最新情報をご確認ください。
車でのアクセスと駐車場
多久聖廟への訪問には車が最も便利です。長崎自動車道「多久IC」を降りてから約15分とアクセスしやすく、普通車100台・大型車も受け入れ可能な無料駐車場が整備されています。釈菜当日は訪問者が増えますが、広い駐車場があるため比較的スムーズに駐車できます。釈菜の式典開始は午前10時のため、余裕を持って9時30分頃を目安に到着するのがおすすめです。
福岡方面からは、都市高速→長崎道と乗り継いでのアクセスが一般的です。唐津・伊万里方面からは国道203号線を利用するルートも便利です。
公共交通機関でのアクセス
JR佐世保線「多久駅」が最寄り駅となります。多久駅から多久聖廟への直通バスは運行されていませんが、昭和バス(武雄方面竹下町行き)に乗車して「本多久」バス停で下車すれば、徒歩約15分で到着できます。また、多久市が運行する「ふれあいバス循環線(西回り)」を利用すれば、「多久聖廟」バス停から徒歩約3分と便利です。ふれあいバスの時刻表は多久市公式サイトや多久市観光協会(TEL: 0952-74-2502)でご確認ください。
周辺の観光スポット
多久聖廟と合わせて訪れたい周辺観光スポットもあります。聖廟近隣の「西渓公園(せいけいこうえん)」は紅葉の名所として知られ、秋季釈菜の時期と紅葉の見頃が重なることもあります。また「多久神社」や鶴山を背景にした景観も多久市ならではの魅力です。物産館「朋来庵」では多久市ならではのお土産や孔子関連グッズを購入できるので、帰り際にぜひ立ち寄ってみてください。
釈菜参加前に知っておきたい実用情報
初めて釈菜を訪れる方がスムーズに楽しめるよう、参加前に確認しておきたい実用的な情報をまとめました。
記事ポイント⑥
- 観覧・参加は無料で、予約は不要です
- 式典は厳かな儀式のため、観覧中は静粛にするよう心がけましょう
- 廟内での撮影については、当日スタッフの指示に従ってください
- 春季釈菜は4月18日固定のため、平日開催になる年もあります
- ボランティアガイドを希望する場合は2週間前までに多久市観光協会へ要予約です
- 問い合わせ先:公益財団法人 孔子の里 TEL: 0952-75-5112
- 多久市観光協会 TEL: 0952-74-2502
Q&A よくある質問
Q. 釈菜は予約なしで見学できますか? A. はい、観覧は予約不要・無料で参加できます。誰でも式典の様子を見学することができます。当日は聖廟内が特別公開されるため、普段は見ることのできない孔子像や天井の龍の絵も拝観できます。
Q. 子どもでも楽しめますか? A. 式典自体は厳粛な儀式ですが、式典後の獅子舞・腰鼓・釈菜の舞といった演目は子どもも楽しめる内容です。中国文化に触れる良い教育的体験にもなるでしょう。
Q. 雨天でも開催されますか? A. 原則として開催されますが、荒天時は変更・中止の可能性があります。開催の有無については事前に孔子の里(TEL: 0952-75-5112)へお問い合わせください。
Q. 廟内はいつでも見学できますか? A. 廟内の一般公開は釈菜当日(春4月18日・秋10月第4日曜日)のみです。通常は廟の外観のみ見学できます。年末年始や合格祈願の時期には本殿が開帳されることもありますので、詳細は孔子の里にご確認ください。
Q. 駐車場の混雑はどの程度ですか? A. 普通車100台収容の無料駐車場があります。釈菜当日は混雑が予想されますので、開始時刻の30分〜1時間前の到着がおすすめです。
まとめ|多久聖廟釈菜の魅力と訪問のポイント
佐賀の歴史と文化が凝縮された多久聖廟の釈菜は、300年以上の時を超えて現代に息づく、九州でも類を見ない貴重な伝統行事です。雅楽の音色が境内に響き、中国明時代の装束をまとった祭官たちが厳かに供物を捧げる光景は、一度見ると忘れられない体験となるでしょう。普段は非公開の廟内に入り、精緻な彫刻に囲まれながら孔子像を間近で仰ぐことができるのも、釈菜当日だけの特権です。
春(4月18日)と秋(10月第4日曜日)の年2回しか行われない特別な機会だからこそ、この記事を参考に日程と詳細をしっかり確認して、余裕を持って訪問計画を立ててみてください。入場・観覧は無料で、駐車場も広く整備されているため、遠方からでも気軽に足を運べます。
- ✅ 多久聖廟釈菜は春4月18日・秋10月第4日曜日に年2回開催される
- ✅ 創建の宝永5(1708)年以来、310年以上続く佐賀県重要無形民俗文化財である
- ✅ 式典では中国明時代の装束を着た献官・祭官が孔子と四配の像に供物を捧げる
- ✅ 雅楽の演奏の中で荘厳に進行する式典は観覧無料・予約不要で参加できる
- ✅ 式典後は釈菜の舞・腰鼓・獅子舞など中国文化の演目が披露される
- ✅ 釈菜当日だけ廟内が一般公開され、孔子像や天井の龍の絵を間近で見られる
- ✅ 多久聖廟は日本三大孔子廟のひとつで国指定重要文化財である
- ✅ 建物には龍・麒麟・鳳凰など100を超える精緻な彫刻が施されている
- ✅ 車でのアクセスは長崎道「多久IC」から約15分、駐車場は無料・100台収容
- ✅ JR多久駅からタクシーで約10分でアクセスできる
- ✅ 物産館「朋来庵」では絵馬や学業成就グッズ・地元土産が購入できる
- ✅ 年末年始(12月15日〜翌1月15日)には20万球のイルミネーションも開催される
- ✅ 最新情報は公益財団法人孔子の里(TEL: 0952-75-5112)で要確認
公式情報
※本記事の情報は2026年2月現在のものです。料金・日程・開催内容は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトおよび現地にてご確認ください。
